MFICU(母体胎児集中治療室)

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はじめに

現在、日本の周産期医療のレベルは世界的にみてもトップクラスといわれています。 ここに至るまでの我が国の周産期医療の発展と進歩は、母と子のあいだに築かれる健全な関係に大きく寄与してきました。 また熊本県においては周産期医療の充実を図る目的で施設間周産期医療ネットワークが形成され、地域周産期母子医療センターを有する福田病院はこのネットワーク内で重要な役割を担っています。 2003年11月に福田病院新生児集中治療室(NICU)の開設により県内の新生児医療の充実が図られ、現在に至るまで新生児センターのスタッフは多くの小さな命と向き合っています。
2016年12月より母体胎児集中治療室(maternal fetal intensive care unit いわゆるMFICU)の設置が熊本県より認可されその運用が開始されました。これにより周産期母子医療センターとしてこれまで以上に充実した周産期(母体・胎児)医療を提供することが可能となりました。

福田病院MFICUの特徴

MFICU内の雰囲気

当院の一般病室と大きな違いはありません。全室個室です。 空気環境の規定により窓を開け放つ事はできませんが、換気、冷暖房設備を完備しております。

入院適応疾患

適応となる疾患は、切迫流早産、前期破水、多胎妊娠、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとした内科疾患合併妊娠、前置胎盤、常位胎盤早期剥離などの母体疾患と胎児発育不全、胎児機能不全、一部の胎児形態異常などの胎児疾患があります。その入院形態は他院からの緊急母体搬送や当院外来からの直接入院です。

入院期間

最長で14日間の入院となります。
入院から15日目以降は、一般病棟に移り入院継続の必要性に応じて治療方針を立てていきます。

面会について

集中治療室ICUという性質上、面会可能な方は原則として一親等(例:実の父母、子は実子のみ)および義父母の方のみとさせていただいております。
また、面会時間も一般病棟と異なり、11:00~21:00としています。

医療スタッフについて

MFICUに従事するスタッフの職種と専門性は多岐に渡ります。当院では、周産期(母体・胎児)専門医、産婦人科専門医、麻酔科医、外科医、内科医、助産師、看護師、薬剤師、公認心理師、医療事務員を含むパラメディカルスタッフから構成されています。職種間の密な連携により多面的な治療と支援を提供いたします。

看護体制について

緊急対応に精通したスタッフによる3対1看護(9名の患者様に対して3から4名の看護スタッフの配置)をもってよりきめ細やかな看護を提供しています。

設備等について

中央監視で一括管理可能な胎児心拍モニター装置を各部屋に1台ずつ設置し、さらに胎児異常の検出に欠かせないパルスドップラ付超音波画像診断装置(移動式)がセンター内に1台配置されています。
生体モニター(血圧、脈などの計測表示)による監視管理も可能となっています。
各部屋のベッドは時に診察台や分娩台に切り替えることが可能なものもあり、緊急母体搬送や突発的な分娩、産後の大量出血に備えています。

プライバシーについて

MFICUにある9つの病室を完全個室化することで入院される方のプライバシーの保護を可能にしています。

医療費について

高額療養費に該当する場合があります。高額療養費とは、窓口で負担金が高額となった場合に自己負担限度額を超えた額が加入されている健康保険から支給される制度です。
ただし事前に限度額認定証のお手続きをしていただくことが必要となります。このような手続きにより窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなり、高額療養費(払い戻し)の申請が不要となります。このためMFICUに入院となられた方には限度額認定証のお手続きをお願いしております。
MFICUに入院された場合には、医療事務担当者がこの点につきましては説明させていただくとともに医療費のお支払いなどについてのご質問にお答えいたします。ご遠慮なくお申し付けください。

最後に

突然の入院に際して患者様はもちろんのことご家族も大変なご不安を抱かれると思われます。私たちMFICUスタッフにお気軽にご質問いただき、ご心配なこと、ご不明なことなどお聞かせください。医療に関する事は医師をはじめとする医療スタッフが、医療費などお支払に関することは医療事務スタッフが、丁寧にわかりやすくお答えいたします。