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2010年実績について

余花の風情を楽しみたい今日このごろですが、皆様如何お過ごしでしょうか?
さて、今回の通信は最新の当外来の実績をご報告いたします。
H22年(1月~12月)に当外来で妊娠された方は363名いらっしゃいました。

上記はH22年に当外来でどのような治療を受けて妊娠されたのかをまとめたものです。
約40%の方が排卵誘発やタイミング法で妊娠されています(赤い部分)。また、人工授精
(AIH)で妊娠は15.7%でした。ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)は、昨年の37%
からさらに43%と年々増加しています。ARTの認知度が上がり、患者様の高齢化や、精子
の減少などが関係しているのではないかと推測されます。おおまかには、体外受精が4割、
人工授精を含めたタイミング指導が6割となっています。

☆AIH(人工授精)について
35歳からの妊娠確率が落ちているのがわかります。
数回同じ治療を行って妊娠しない場合は、早めのステップアップが必要かと思います。
タイミング法や人工授精で妊娠しない原因不明の不妊症の場合、腹腔鏡による治療をおすすめしています。妊娠率は約50%でほとんどの妊娠は腹腔鏡から1年以内です。

☆ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)について
ARTを受けた方の80%以上が35歳以上でした。特に40代の方が多くなっており、高齢化
が目立ちます。40歳をすぎると卵子の質の低下のため、妊娠率は35~39歳の半分に下が
ります。

胚移植を行うとき、子宮内膜の薄い方、ホルモンバランスのよくない方は着床率が低く
なることが予想されます。このような場合、胚を凍結し、着床条件がよいときに胚移植
を行うようにしています。胚移植の際に着床率を上げるための補助孵化法も採用してい
ますので、凍結胚の妊娠率が特に高くなっていると思われます。今のところ凍結による
児の奇形率や流産率の増加はないと報告されています。

トピックス H22年の妊娠より

最高年齢妊娠:44歳 (凍結胚移植)
最長不妊期間:12年 (凍結胚移植)
胚移植最多回数:10回目
人工授精妊娠最低精子濃度:1250万/ml
人工授精妊娠最低運動率:21%