インフルエンザワクチンについて
今年度もインフルエンザワクチンのシーズンを迎えます。
当院では、従来より、注射のインフルエンザワクチンを実施していますが、今年度より点鼻(鼻に薬を噴霧するタイプ)のインフルエンザワクチンをも実施することとなりました。
注射のワクチンと点鼻のワクチンでは、効果(発症予防・重症化予防)に差はないとされており、日本小児科学会はいずれのワクチンも同等に推奨しています。
ただし、①点鼻のワクチンは、接種後に鼻で増殖したワクチンウイルスが飛沫・接触で周囲に伝播する(ワクチンウイルスによって、周囲の人がインフルエンザにかかる)恐れがあるため、周囲に免疫不全症の方がおられる場合には、注射のワクチンが推奨とされ、また、②喘息の方にも注射のワクチンが推奨とされています。
| 注射 | 点鼻 | |
|---|---|---|
| ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
| 対象年齢 | 6か月以上 | 2歳以上~19歳未満 |
| 接種回数 | 6か月以上~13歳未満は2回 13歳以上は1回 |
1回 |
| 痛み | あり | 少ないと考えられる |
| 注意すべき 併用薬 |
特記事項なし | 抗インフルエンザ薬 一部の解熱鎮痛剤 アスピリン(川崎病治療) |
| 接種要注意者 | 特記事項なし | ゼラチンアレルギー ステロイドや免疫抑制剤を長期大量投与されている方(主治医にご相談ください) |
| 接種不適当者 | 特記事項なし | 妊婦(接種前1か月~接種後2か月は避妊) |
※接種要注意者・不適当者について、他のワクチンでも該当する内容(例えば「明らかな発熱を呈している者」等)は上記に載せておりません。
注意点
点鼻のインフルエンザワクチンは「注射のような痛みがない」「1回で完了する」といった良い点がありますが、注意していただきたい点もあります。
<接種前>
・鼻閉鼻汁があっても薬液の吸収には問題ないとされていますが、米国疾病予防管理センターからは、そのような場合には接種延期や注射を選ぶ方が良いとする見解が出ています。
<接種中>
・接種後に鼻をかんだりくしゃみをしたりしても効果の減弱はありません。
・接種後に鼻水を飲み込んでも問題はありません(ワクチンウイルスは胃液で失活)。
<接種後>
・生ワクチンの特徴上、接種後に「インフルエンザ様症状(発熱・咳・鼻汁等)」を呈することがあります。
・接種後に「ワクチンウイルスによるインフルエンザ」を発症することがあります。
・接種後2~4週間程度、ワクチンウイルスが鼻腔内に存在するので、インフルエンザの検査を実施すると陽性になります。
・接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬(タミフル等)を投与すると、ワクチンの効果がなくなります。
さいごに
いずれのワクチンとも、効果や安全性が同等に確認されているワクチンです。ご家族のご事情(お母様が妊娠中・インフルエンザワクチンの接種ができない6か月未満の赤ちゃんがいらっしゃる等)を鑑み、ご選択ください。
当院では、お子様の点鼻ワクチンを予定されている妊婦さんには、お子様より先にお母様が注射のインフルエンザワクチン(妊婦さんも接種可能)を接種されることをお勧めしております。