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2019年実績について

今回の通信は、最新の当院外来の実績をご報告いたします。
2019年(1月~12月)に当外来で妊娠された方は444名いらっしゃいました。

 こちらのグラフは、2019年に当外来でどのような治療を受けて妊娠されたのかをまとめたものです。
約30%の方が排卵誘発やタイミング法で妊娠されています。AIH(人工授精)の妊娠は22.5%、ART(体外受精、顕微授精、融解胚移植)による妊娠は43.2%となっています。
 このグラフを見てみると、妊娠数は全妊娠数のART 43.2%>タイミング 30.6%>AIH 22.5%でAIHの妊娠数が少なくなっていますが、タイミングなどで妊娠に至らなかった人がAIHに移行しているので、決して妊娠数が少ないわけではありません。
 また、ARTの妊娠率は子宮鏡や腹腔鏡手術(主に筋腫核出術)などにより、着床環境を整えることで妊娠に至っている方も増えています。

AIH(人工授精)について

AIH(人工授精)は排卵日に、ご主人の精液から良好運動精子を取り出し、子宮の中に注入する方法です。
比較的自然に近い妊娠であり、副作用の少ない治療です。
原因不明の方、性交障害や軽度精子異常がある方が適応となります。
妊娠率は下の図のように、40歳を過ぎると39歳までの方に比べ約2分の1に低下しています。一般的に4~5回AIHを行っても妊娠しない場合、精子に問題がなければ、それ以上行っても妊娠する確率はかなり低くなるので次のステップアップが必要となります。

ART(体外受精、顕微授精、融解胚移植)について

下の図を見てみると、どの年齢層においても全国平均より高い妊娠率であり、AIHの妊娠率(上記)よりかなり高い値です。全国平均のグラフから見て分かるように妊娠率は40歳より急激に低下しています。
妊娠率の低下により、治療回数も増えています。
35歳からは卵子の老化で質が落ち、40歳頃からは排卵を伴わない月経も現れるようになってきます。
また、30歳を過ぎる頃から子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮の病気が増えて妊娠しずらくなったり、流産や早産に結びつきやすくなったりします。
35歳を過ぎた方はARTも視野に入れ、早めに進まれることをお勧めします。

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