ブレストセンター

乳腺部門「ブレストセンター」のご紹介

女性のためのトータルケアをサポートする一環として重要な産婦人科診療と乳腺診療があります。産婦人科診療として有名なこの福田病院内に、乳がん診療として全国的にも有名な相良病院との連携で、2025年7月1日より新たに「ブレストセンター」を開設いたしました。

  • センター受付と待合室

  • マンモ・エコー室前

  • 化学療法室

  • ブレストセンター長 西村令喜

  • ドクターオブドクターズネットワーク〜ドクターが薦める専門医〜の認定証
  • The Best Doctors in JAPAN2024-2025の賞状

1.ビジョン・目標

若い方から高齢の方まで乳がん患者さんは増えています。早期診断、的確な治療を念頭に多様性のある乳腺疾患に専門性を持った各職種がチームとして対応いたします。患者さん中心の医療を目指します。

2.乳がんの国内での現況と熊本での検診の現状など

2022年NCDに登録された乳がん症例は10万1,793例で、診断時の年齢中央値は62歳、29.4%が閉経前であり、閉経後の方がほとんどでした。さらにエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の陽性率は、それぞれ78.7%、69.4%、12.8%であり、乳がんと女性ホルモンとの関連は明らかです。

また、乳がんによる死亡率、罹患率ともに近年急速に上昇しています。

乳がん検診受診率:47%(全国:2022年) 熊本県:51.4%と平均より上
  • 健診、ドックなども含めた予測値(厚生労働省より)
    熊本県の市町村主催の乳がん検診受診率:20%(40歳~69歳)、16%(40歳以上)とまだ低値です。
  • 都道府県別がん年齢調整死亡率(公益財団法人がん研究振興財団 がんの統計2025より)
    熊本県の乳がんによる死亡率は、他県よりもやや低率となっています。

3.乳がんのリスク因子

  • 初潮が早い(12歳未満)
  • 年齢が40歳以上
  • 出産経験がない、あるいは初産が30歳以降
  • 閉経後の肥満
  • 血縁者(特に母、姉妹)に乳がんの人がいる
  • 片側が乳がんになったことがある
  • 乳房の病気(乳腺炎、乳腺症など)になったことがある
  • 子宮体がん、卵巣がんになったことがある
  • 多量の飲酒
  • 喫煙

4.診療内容について

  • 早期診断としての乳がん検診(マンモグラフィ、超音波検査)
  • 精密検査としてのトモシンセシス、細胞診、組織検査
  • 症例に即した手術法(乳房部分切除、あるいは全切除、再建手術、センチネルリンパ節生検:相良病院との連携も含めて)
  • 症例に即したガイドラインに基づいた治療(ホルモン療法、化学療法など)
  • 再発後の適格な治療法選択(相良病院との連携も含む)
  • セカンドオピニオンとしての対応
  • 産婦人科(院内)との連携:妊孕性の問題、子宮がん検診、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群に関して、婦人科疾患の治療など)

5.ブレストアウェアネス

“乳房を意識する生活習慣を身に着けよう“

「ブレストアウェアネス(Breast Awareness)」とは、乳房の意識を高め、自分の乳房の状態を普段からよく知っておくことを意味します。これは乳がんの早期発見に非常に重要な考え方で、日本語では「乳房自己認識」や「乳房のセルフチェック意識」と訳されることがあります。

ブレストアウェアネスの4つのポイント(日本乳癌学会の推奨)
  • 自分の乳房の状態を普段から知っておくこと
    → 毎月、決まった時期に乳房の変化を観察・触診する習慣をつける
  • 乳房の変化に気づくこと
    →しこり、ひきつれ、乳頭からの分泌物、乳房の形の変化など
  • 変化に気づいたらすぐに医療機関を受診すること
    → 「様子を見る」ではなく受診。早期発見が生存率を大きく左右します
  • 40歳になったら2年に1回はマンモグラフィ検診を受けること
    → 定期的な検診と自己チェックを併用することが重要

「ブレストアウェアネス」は、乳がんを予防する方法というよりは、「早期発見・早期治療」のためのセルフケア意識です。乳がん検診を受けることに加え、日常的に自分の体に目を向けることが、健康を守る第一歩となります。

このブレストセンターではこの多様性ある乳腺疾患の診断、検診の啓蒙に努めています。 ちなみに2024年の熊本市における乳がん検診件数は当院が最多であり、私どもは重点項目の一つとして取り組んでいます。