生殖内分泌科診療

不妊の検査

不妊治療は検査から始まります。検査結果から、どの治療であれば妊娠の可能性が高いかがわかります。医師から提案される治療法と、希望する方法が必ずしも同じとは限りません。検査結果と不妊に関する知識をもとに、主治医とよく相談して、夫婦で治療戦略をたてましょう。
一般不妊検査、内視鏡等の検査で着床を妨げている因子をまず取り除くことが重要と考えます。 着床できなければ、どんな治療をしてもたとえ体外受精をしたとしても、妊娠に至らないからです。

一般不妊検査

  • 各種ホルモン検査
  • 性感染症検査
  • AMH検査
  • 超音波検査
  • 子宮卵管造影検査
  • 卵管通気法
  • 精液検査
  • フーナーテスト
  • 子宮癌・乳癌検診

腹腔鏡、子宮鏡の検査と治療

  • 卵巣腫瘍、子宮筋腫の手術
  • 不妊症原因検索のための腹腔鏡検査・子宮内膜症電気凝固術、癒着剥離術
  • 子宮内腔にある子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫切除
  • 子宮内腔癒着剥離
  • 子宮中隔切除

不妊治療

タイミング法

  • 自己タイミング法
    詳しくはコアラ倶楽部通信を御覧ください。 コアラ倶楽部通信
  • 病院でのタイミング法
    ホルモン検査や超音波で排卵日と排卵のおよその時間をできる限り正確に予測して夫婦生活をもつ方法です。
  • 夫婦伴に問題がなければ、4回のタイミング法で妊娠すると言われています。
    4回失敗したらステップアップを考えましょう。

人工授精(パーコール法、スイムアップ法)

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  • ホルモン検査や超音波検査で排卵日を予測または薬・注射で調整し、精液を調整して元気な精子だけを子宮へ入れる方法です。妊娠率はタイミング法の約2倍です。(約15%)人工授精を4~5回しても妊娠に至らなければ治療のステップアップを考えましょう。

詳しくはコアラ倶楽部通信を御覧ください。

コアラ倶楽部通信

生殖補助医療(ART)

体外受精、顕微授精

卵巣から卵子を採取して、体外で精子と出会わせ、胚になったものを培養して子宮へ戻します。
卵子に精子をふりかける方法がコンベンショナルIVFといいます。卵子に1個の精子を注入するのが顕微授精(ICSI)です。

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妊娠率は人工授精の約2倍です。(約30%~50%)
卵管に問題があったり、精子の数や運動率に問題があったり、タイミング法、人工授精では妊娠しなかった場合などが対象となります。妻が高齢(大体35歳以上)の方は、早めにARTを開始するようにしています。

卵子、精子、胚の凍結保存

医学的適応による卵子凍結

持病(癌や膠原病その他)の治療のためすぐに妊娠できない場合、将来の妊孕性を温存するためにいくつかの卵子を凍結保存しておきます。

社会的適応による卵子凍結

すぐに結婚、妊娠できない方が加齢による卵子の質の低下による将来の不妊を防ぐ目的で、現在の卵子を凍結保存します。将来妊娠希望する時に使用します。

精子凍結

病気の治療のために造精機能(精子をつくる機能)がなくなると考えられる方が将来の妊孕性温存のために精子を凍結保存します。元気になられた後、この精子を用い不妊治療を施行します。

胚凍結

現在日本では、体外受精をして得られた胚の4/5以上は凍結されています。凍結せずに移植するよりも凍結して、子宮の状態が良い時に移植した方が妊娠率の向上が望めるためです。解かした時の胚の生存率は98.5%です。現在までに明らかな凍結による児の異常は報告されていません。

胚の補助孵化法

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  • 胚を移植する前に胚の周囲の硬い膜を人工的に切開し容易に胚が着床しやすくなるように補助する方法です。
    当院では凍結融解移植胚全てに施行しています。

ERA EMMA ALICE・子宮内膜着床能検査

  • 凍結胚を移植する時に前もって子宮内膜の状態を詳しく検査し、ベストな移植のタイミングをより正確に把握したり、移植する内膜の状態を改善する治療をすることができます。

詳しくはコアラ倶楽部通信を御覧ください。

コアラ倶楽部通信

不妊カウンセリング

  • 治療についての不安や迷い、誰かに話を聞いてほしい時、不妊カウンセラーが個室でお話をお聞きします。
相談料 【1回】 2000円/水曜日 45分(14:00~14:45)
予約制

精巣内精子採取(microーTESE)と顕微授精

  • 無精子症の方に対し精巣より精子を取り出し、その精子で顕微受精を行います。現在精巣内精子採取は、熊本市内の男性不妊専門泌尿器科医と連携して施行しています。

不育症検査
(2回以上続けて流産、死産又は早期新生児死亡をおこされた方にお勧めします)

不育症との関連性が高い検査

子宮卵管造影検査(HSG)、甲状腺ホルモン検査、夫婦染色体検査、抗リン脂質抗体検査

不育症と関連性がある検査

抗リン脂質抗体検査、血栓症素因検査(第XII因子活性、プロテインS活性、APTT)

不育症と関連性が疑われる検査

抗プロトロビン抗体検査(PT-PS抗体)
免疫学的検査(NK活性、Th1/Th2比)

上記の検査後治療が必要と考えられる場合は、妊娠前もしくは妊娠直後より流産を防ぐための治療を開始します。